博士課程について
博士課程とは?と聞かれて正直良い答えは浮かばない。というか自分もよくわからない。
制度的なことを説明すると、
博士課程は大学院の過程であるが
学部(4年間)
↓
大学院修士課程(2年間)
↓
大学院博士課程(3年間)
という順序で進んでゆく。
基本は3年だが、優秀であれば早期卒業が可能である。
(例えば数学者の森重文先生は”入ったけど、すぐに卒業した”と雑誌でコメントしていた。知り合いにも2年で卒業した人を知っている。)
卒業すると博士号というものが授与され、その後民間企業の研究者や大学の研究室にポスドクとして残る選択肢がある。
大学の研究者を目指すなら博士号は必須と思われる。民間は必須ではないがあるに越したことはない。(優秀な企業研究者は皆博士だった気がする。)
何をしているのかというと、基本は研究をしています。論文を読んだり、研究課題をかんがえたり、内容が固まれば論文を書いたりと。
時に他大学のえらい先生の話を聞きに行ったり、研究集会で発表などもしています。
基本的にはのんびりと研究をしています。(のんびりとした性格の自分にはこの方は性に合っており、今は充実しています。)
学部や修士課程との違いはというと、
学部→既知の結果をひたすら学ぶ。
修士課程→未知の内容を研究するが、教授の指示で動く。(未知の内容まで行けない人も多々)
ちなみに高校と大学との違いは、自分もはっきりはわかりませんが、高校は学問を考えるための基礎知識を学ぶところだと思います。(いってしまえば頭がよければいきなり大学で学んでもよいのかも。)あと結構古典的なことをやっています。例えば物理はニュートン力学など。大学は現在実際に用いられている技術を学び、運用するためそのあたりの基礎知識を学ぶところだと思います。学ぶ内容も現代的です。例えば、量子力学や相対性理論、非ユークリッド幾何学など。
これに対し、博士課程は未知の内容を考えるのはもちろんのこと、最初の問題設定、解決方策、論文の執筆、投稿、発表をすべて自分の判断で行わなくてはいけない。もちろん教授のアドバイス等はもらえるが。
修士課程の延長の気持ちで行くと、最初は少々苦労するかもしれない。(実際自分はかなり苦労した、このあたりの話もいずれ書きたいと思う。)
しかし一度やってしまえば案外慣れるもので、今は結構研究活動が楽しい。まあ、学位が取れるかは少々心配ではあるが・・・。
学生とひとまとめに言われると、少々残念である。まあ確かに決まった収入をもらえるわけではないのでそうなのだが。ただ、受け身の学生なのではなく自分で何を研究するか判断し調査を進めている点では研究者の端くれといってもよいかもしれない。
収入はないといっても、研究集会の手伝いや、ティーチングアシスタントという学部生の授業の手伝いで少しはお金がもらえることがある。(時給はかなり良い。)
研究集会の手伝いなんかは1日中座っていただけで2万円ほどもらえたことがある。
博士課程には行くべきか、と聞かれると良いともダメとも言えない。研究者を目指すというなら是非どうぞ、ですが企業に就職するというのもこの先生きてくために大事なことですから。結局行きたきゃ行けばいいと思う。自分の目で確かめてください。
自分は行きたいから行った。修士論文が1年ちょっとで書けたという自信もあったのだが・・・。
博士課程の概要はこのような感じだと思うが、細かい話はいずれしようと思う。
最後に、博士課程の学生は将来の不安や自分の研究に対する対外評価など、悩みが多いと思います。(自分もかなり悩んできました。)なので、博士課程の学生に対しては研究を見下したり、立場を比較して卑下したりなどは決してしないで下さい。彼らは自分も含め必死に活動していると思います。どうか優しく研究の話をきいてあげたり、他愛もない話で気を紛らわしてやってください。