【線形代数学入門】概要と行列の定義
1. 記事の目的
線形代数学の解説を目的に、本記事では線形代数学の概要と線形代数学で非常に重要となる行列の定義について述べる。
2. 線形代数の概要
線形代数学とは、ベクトル空間という代数系を扱う代数学である。ベクトル空間同士の写像は行列と1体1対応があることから、行列を調べる学問分野でもある。線形代数の重要性は様々あると思うが(特に数学内では)、近年AIの理論である深層学習おいて扱われることが多い。ニューラルネットワークの流れは頂点を並べたベクトルに重み行列をかけて計算される。詳しくは過去に書いた以下の記事を参照してほしい。
近年のAIの発展によりこのような理論の重要性はますます増している。こうした状況の中で、一般にも線形代数を理解してAIをより身近にしたいという目的もあり本記事を書くとする。まず初めに行列とは何かについて説明する。
2. 行列の定義
自然数、に対して、個の数、 (がから、がからまで動く)を用意する。この時これらの数を縦に個、横に個、長方形型に並べた表のようなものを型の行列という。これを一つの大文字で次のように書く。
(上から番目、左から番目にという数を置くという対応になっている。)
行列の中の1個1個の数のことを行列の成分と呼ぶ。特に、のことを成分と呼ぶ。
横に1列並んだ列を行、縦に1列並んだ列を列という。特に、上から番目の行を第行、左から番目の列を第列という。
成分が全て実数である行列を実行列という。
の形の行列を、型の行列と言ったが、この行列の型がと言ったりする。この言葉を使って、行列が等しいことを定義する。行列とが等しいというのは、とが同じ型で、との同じ場所にある成分の数の値が同じであることとする。行列とが等しいことを記号でと書く。
特殊な形の行列には別の名前で呼ばれることが多い。型の行列、つまり縦に個の数を並べた表を、項列ベクトルという。このような行列は太い小文字で描かれることが多い。すなわち
と書く。型の行列を項行ベクトルという。
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3. 参考文献
[1] 線型代数入門
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